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留学に行って10年が経った
私はこの世に生れた以上何かしなければならん、といって何をして好いか少しも見当がつかない。私はちょうど霧の中に閉じ込められた孤独の人間のように立ち竦(すく)んでしまったのです。そうしてどこからか一筋の日光が射して来ないかしらんという希望よりも、こちらから探照灯を用いてたった一...

bunkeiedison
2023年9月30日読了時間: 10分


冷蔵庫の残りでとりあえず作ったもんでも少なくともおれが食うぶんには美味いし、身近な連れぐらいにやったら出せると思う
・・・聡明で健康的だとは言っても、まだ世間に揉まれ十代の若い女性が、頭でわかってはいても、彼女にもたらされた「虐げられた幸薄い女」が憑依してしまうのは、避けられないことだったのだろう。おまけに「圭子の夢は夜ひらく」は、まず歌のタイトルに「圭子の夢は夜ひらく」と自身の名前すら...

bunkeiedison
2023年8月27日読了時間: 11分


もう一度真っ白を真っ白として見るために、今のおれに足りない色は何色で、それはどこにある?
時の流れに身をまかせ あなたの色に染められ 一度の人生それさえ 捨てることもかまわない だから お願い そばに置いてね いまは あなたしか 愛せない ───荒木とよひさ(作詞)「時の流れに身をまかせ」 人にものを教えるにせよ人にものを教わるにせよ、何かを知る瞬間っていうの...

bunkeiedison
2023年7月21日読了時間: 6分


誰にでも来る一秒一秒じゃなくて、おれの生活丸ごとを伝えるような時計が欲しい
作曲は一つのこと、演奏はもう一つ別のこと、聴くことは第三のこと、この三つの行為に価値の差は存在しない ──ジョン・ケージ おれの場合は「楽器作り」という行為もこの並びに入る。ギターを1本作ることは上に挙げられた3つと同等に楽しくって、面白い。...

bunkeiedison
2023年6月11日読了時間: 9分


社会の窓は「いざ」ってときしか開けちゃいけない(下)
【前回のあらすじ】 自己分析に関する「ジョハリの窓」という概念は、ある個人の持っているパーソナリティーを「自認している/していない」「他者に知られている/知られていない」の2×2=4枠で振り分けており、その区分を窓の格子枠になぞらえることで名付けられた。...

bunkeiedison
2023年5月5日読了時間: 10分


社会の窓は「いざ」ってときしか開けちゃいけない(上)
何かがなかったという報告は、いつ聞いても面白い。知ってのとおり、知られていると知られていること、つまり知っていると知っていることがあるからだ。知られていないと知られていることがあることも我々は知っている。言ってみれば、我々は知らない何かがあるということを知っている。しかし、...

bunkeiedison
2023年3月19日読了時間: 10分


最近の若いモンは夜行バスの車中でこんなことばっか考えるんか
タイムパフォーマンスなど考えるほどバカらしい人生はない。コスパも同様だ。新幹線のスピードが上がり所要時間が縮まって便利になったというが、大間違いだ。それは、途中の田舎の景色が記憶に残らなくなることだ。旅の味などあったもんじゃない。 ...

bunkeiedison
2023年2月12日読了時間: 15分


好きだった人の訃報は次々向こうから知らされるのに、いつか好きになる人が今日どこかで生まれたことを知る術がないのは不公平だ
人が死んだ後でいちばん不思議な気分になるのは、わたしが思うに、その人の靴を見る時だ。その時に最も悲しい思いをする。あたかも死んだ人の人格が、生前履いていた靴の中に残っているかのようだ。[……] とにもかくにも、死んだ人たちは生きている人が知らない何かを今や知っているというわ...

bunkeiedison
2022年12月28日読了時間: 9分


半人前の芸術家は今日も呑気に片目をつぶる
ただ自然はこういう僕にはいつもよりも一層美しい。君は自然の美しいのを愛し、しかも自殺しようとする僕の矛盾を笑うであらう。けれども自然の美しいのは僕の末期(まつご)の目に映るからである。 ──芥川龍之介「或旧友へ送る手記」...

bunkeiedison
2022年10月23日読了時間: 6分


嘘八百にも胸を張ろうよ、実話じゃなくても良いからさ
だけどねリサ、何もかも証明されなきゃ信じられないっていうのは、悲しいことじゃないかしら? ──マージ・シンプソン(「シンプソンズ」シーズン9 第8話) SNSではたまに、「嘘のようなホントの話」がバズる。それが実話であることを証明するようなソースがあれば、なおバズる。...

bunkeiedison
2022年9月23日読了時間: 12分


「分からない怖さ」VS「分かりきった怖さ」、夏の脱衣所で決闘をおっ始める
私には音楽のことはさっぱり分からない。 ただ、観客の少女の目を見れば何もかも分かった。 彼女は今、目の前で起きていることに熱狂していいものか戸惑っている。 奴のステージはそう、まさに禁断の果実そのものだった… 少女たちがその歌い踊る実にむしゃぶりつくのは時間の問題だった。...

bunkeiedison
2022年8月20日読了時間: 5分


何をノイズキャンセリングすることがあんねん
同梱のヘッドホンにはマイクが内蔵されています。 このマイクが周囲の騒音を拾い、逆位相の音を出力することで、騒音を聞こえにくくします。 飛行機、電車やバスなど、主に乗り物内での騒音を減らし、小さな音量でも音楽を楽しめます。 (SONY ポータブルオーディオプレーヤー...

bunkeiedison
2022年7月18日読了時間: 4分


フォークの人になりたいよ
正面切って自分の主張をぶつけるのもたしかにひとつの方法ではある。 しかし僕は、自分の日常生活をそのまま歌うことが最高のプロテストソングではないかと思ったのだ。 高田渡「バーボン・ストリート・ブルース」 ボブ・ディランのことを「フォークの神様」と呼ぶ奴は信用できない。...

bunkeiedison
2022年6月25日読了時間: 7分
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