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LYRICAL BANANA vol.1 「拳銃」

執筆者の写真: bunkeiedison
bunkeiedison
2019年6月19日
読了時間: 6分


お題の言葉から連想された歌の歌詞を思いついたままに挙げて、その言葉の働きをちょっとだけ考えるコーナー。

出てくる歌詞は本当にそのとき思いついただけなんで、おれ自身が詳しくその曲やアーティストにゾッコンとは限らないよ。

こういう遊びが意外と頭の体操になるんよ。いい歌詞思いつくかもしれんし。



今回は、

拳銃(ピストル、弾丸、etc.)といえば?

とくにお題に深い意味はない。5個ぐらい挙げる。



。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。



自分で歌詞を書いたりすることもたまにあるけど、ピストルのことを書いたのは多分ないなぁ、思い当たらない(※)。

身の回りや経験を発端に曲を作ろうとすることが多いから、触ったことないモノを取り入れるのは難しいのかも。比喩で使うにしても。



①


彼女は“38スペシャル”を持ってるが、それじゃてんで話にならない

彼女は“38スペシャル”を持ってるが、それじゃてんで話にならない

こっちには“32-20”がある、これでおれはもう無敵ってもんだ



ブルースには、まぁ呆れるくらい弾丸もピストルも出てくる。

それもほとんどが比喩的な働きじゃなく、ガチで撃ちますよ的なニュアンスで。


38スペシャルというのはS&W製の弾丸で、転じてそれを装弾するリボルバー拳銃自体のことも指すようになったそう。

対して32-20もウィンチェスター製の弾丸にその名前があるけど、こっちは拳銃じゃなくてライフル用の弾丸なんやね。

ルパンとかDr.スランプとか好きやったから、おれ案外こういう知識も興味がある。


ともあれ、文化、社会として銃が身近にあればこそ、こういう表現も溢れようぞ。

そのままの意味の剥き出しのピストルがこの類の音楽にはすごくリアルに合ってる。

ケツの軽い女と嫉妬深い男の掛け算にはとてもいい役割を果たすよな。こわいこわい。



②


がくぶちの裏の金庫に かくしたコルトをとりだす オレの手がふるえてるのは 何もこわいわけじゃないさ コルトはオレのパスポート 黒くてかたいパスポート スタッガーリーの頭に こいつをぶち込んでやるさ



コルトガバメント、というとよく漫画で見る自動拳銃やね。

「コルト」だけだとメーカー名やけど、ベンツ車をなんでも全部「ベンツ」て呼ぶのと同じでしょう。

ここでもピストルはそのまま武器としての意味で使われてはいるんやけど、3行目のとおりそれを自分のアイデンティティみたいに捉えてるところがカッコいいねぇ。

黒くてかたい、と続けて表現してるので、無機質な冷たさを聴いててイメージできるし、ヒヤッとした怖さとオレが覚悟を決めた感じが合わさって出てる気がする。

ピストルの特徴と主人公の状況や感情が重なってて、ただのオットロシイ殺しの道具としてだけ銃を歌詞に持ち出すのとはちょっとシチュエーションが違う。


こうして書いてるとくっさいくっさい国語の授業みたいや。

ちなみに「コルトは俺のパスポート」っていう映画はあるらしいよ。見よかな。



③


メロンソーダとチリドッグ

そいつがあれば 生きて行けると思ってるオレは

ケツの青い 最新型のピストル



これぞアイデンティティとしてのピストルって感じやね。オレがピストルやもん。

この曲でのピストルは、さっきまでと違って文字通りの武器としてのピストルの機能は薄れる。

何かとってもヤバイことしちゃいたいよっていう気ぶんをピストルていう言葉に詰めた感じ。


さっきのコルトの意味合いが殺しの道具=比喩の道具くらいのバランスだったなら、こっちのピストルは殺しの道具<比喩の道具になってるんじゃなかろうか。説明下手くそやな。

日本の曲ならだいたいの歌詞はこのバランスになると思うな。


この国じゃ殺しの道具としての銃なんて(滅多に)関わらないもんな。ありがたいことに。



④


一発目の弾丸は眼球に命中 頭蓋骨を飛び越えて僕の胸に 二発目は鼓膜をつきやぶり やはり僕の胸に それは僕の心臓ではなく それは僕の心に刺さった



拳銃から飛び出した弾丸を歌詞に使うとなれば、それによってものすごいインパクトを表現できる。

そのぶん、それによって何を書き表すかが肝心になってくる。


けど、この曲は、具体的に何についての歌なのかっていうのが、序盤の段階では確実には見当たらないようになってる。

そこがすごく良い。

少なくともこの歌詞をここで初めて知った人が、検索かけて曲を見つけて聴いてみても、すぐに「あっこれは〇〇の歌や!」とは早押しではならんのじゃないかなぁ。

そういう反応も大事やから、このコーナーは一節の歌詞そのもの以外何の情報も載せない。すまんなファッキンジャスらック。


この曲での弾丸の描写は、そのまんま、弾丸が人間に突き刺さるインパクトの表現でしかない。


思うに、弾丸が突き刺さったような衝撃を受けた経験っていうのは、本当に人それぞれのエピソードやろうな。

例えば最近テレビでしゃべってた人は、それが高校時代に見たピカソの絵やった、て言うてた。

そういう経験を歌詞の中で初っ端から個人レベルに限定しちゃうと、それこそその曲が突き刺さる標的の人口が狭まってしまう。

だから、この歌詞は二発の「弾丸」がそれぞれどこから入って自分の胸を打ったか、しか言わない。それだけでそんな衝動的な体験をしたことがある人にはきっと共通して分かる部分があるから。


それはほんまに何だってありえると思う。レコードから流れた音楽でもよければ、談志の落語でも、ミャンマーの建築物でもいいし、クラスの子の顔や声でも、モノレールの線路の連結の美しさでも、キリストが呼ぶ声が聞こえたっていうならそれが胸に刺さったんであればそれでもいいじゃないか別に。

まだ弾丸が刺さってないよっていう人は何かにブチ撃たれるのを待てばいいんじゃないかな。それまでは自分から先走って危ないもんを周りや自分に撃ってはいけない。ターン制やから。


本当はお題を決めたときにはもうこの歌詞が真っ先に浮かんでたけど、話の順序的に四つ目になってしまった。




⑤



もし僕が銃を持っていたら、



こんなふうに歌詞が始まったら次に何とつづけるか。

ブルースやったら文字通り浮気女をブチ抜くかもしれない。まじでろくでもない音楽やな。

君のために戦うよ!みたいなのもあるかもなぁ。さすがにしょーもない。

傾向と対策的にいうと危険な銃と僕のアイデンティティを重ねるかもしれない。同じもんはわざわざ取りあげん。



もし僕が銃を持っていたら、

空に向かって撃って太陽に穴を開けるだろう



初めて聴いたときは、はぇ〜!ってなったなあ。

何となく思い浮かぶ対象物にそんなデッケェのは入ってなかったもの。

この冒頭からこの曲はラブソングの歌詞になっていくんやけども、これをタイトルにして、この歌詞からラブソングを歌い始めるインパクトこそがまさに銃みたい。


やっぱりスーパースターは違うなぁ、と思った。




。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。




というふうに、拳銃やピストルを他にもこんな使い方してる歌詞あるよ!という方がおれば、よかったら教えてください。

リリカルバナナ、拳銃といったら?







※全部書き終わってから1個思い出したけど、文字通りの弾丸を歌詞に入れた、①的な使い方をしたものやった。やっぱ好きなんやねブルース。





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